第4回 差別化とは

 

身近なところで差別化というものの例がないだろうかという話になりました。

これに関して、街の電気屋の衰退がひとつの参考になるのではないかと思います。

 

諸説いろいろあるかとは思いますが、ここではディスカウントストアとの差別化という視点で話を進めさせていただきます。

 

この視点で行くと、電気屋の顧客へのアドバイザーとしての機能が失われたことが原因ではないかと考えられます。

むかしは、電気製品が良くわからない近隣の消費者にいろいろなアドバイスをしたり、簡単な修理を請け負っていました。

このころは、家電製品のことならあの店に行けばいいよ。という位置づけではなかったかと思います。

 

それが、電気製品のマイコン化とともにメーカーでなければ修理できなくなり、新製品の販売と修理の取次店のようになって行きました。

競争力は落ちているものの、まだ、家電製品ならあの店に、という感覚が残っていたと思います。

 

さらにIT革命です。

このパソコン市場への参入が遅れたところに致命的な原因があるように思います。

さすがに、コンピューターが家電のように発展していくと予想できた人も少なかったとは思いますが・・・。

結果論としていうと、インターネットが普及し始めたあたりで、街の家電店がインターネットの接続や、プロバイダーとの手続き、また、パソコン教室などを開いたりして、近隣の消費者に情報を発信できればよかったのではないでしょうか、実際には違ったと思います。

ここで競争力が落ちたところへさらに、消費者がその他の家電に関してもインターネットで商品情報を調べるようになっていきます。

このあたりで、販売員より消費者の方が商品知識を持っているという、情報力の逆転現象が起きてきたと思われます。

そうなるとどうなるか。

店舗から得られるものは商品のみということになり、とにかく安い店で買おう、ということになります。

ここで客足が決定的に変わったと思われます。

 

 

相方にも同じような経験があるとのことでした。

こちらは、専門店として事業を継続しているという例です。

 

相方の趣味はスキーで、だいたい道具は専門店でそろえているそうです。

量販店の方が安く手に入ると思われますが、そこでは買いません。

なぜか、という部分ですね。

それは大手の量販店だと、カタログに書いてあることは暗記していて答えが返ってくるけど、そこからさらに突っ込んだ、滑りの味、とか、板のしなりの感覚といったカタログに載っていないことを聞くと答えられない、ということでした。

 

そこで専門店の登場となります。

当然専門店、商品知識は豊富です。

自分でもいろいろと使っているんでしょうが、さらに顧客からいろいろな情報を仕入れていて、カタログに載っていないような知識も豊富です。

そして、上級者は自分のスタイルに合ったものを買いにその専門店に来ます。

値段はえてして量販店より高めですが、専門店での買い物となります。

値段が高い部分に関しては、いろいろな商品情報が得られる、他の顧客も上級者なのでいろいろと情報交換する場が得られる、という付加価値にお金を払っているということになります。

もちろん値段が高くても十分満足して買い物をしていきます。

逆に値段が安くても量販店で買った場合は不満足が残るかもしれません。

 

さらに店主と仲が良くなると、ますますゲレンデや商品に関しての情報が引き出しやすくなり、やはりこの店でなくては、ということになっていきます。

これが差別化です。

オンリーワンというのもここにつながってきます。

 

 

つづく

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送